常喜院の本尊様は、子安、延命のお地蔵さまです。
お地蔵さまは、仏教の始祖のお釈迦さまが入寂された後の五十六億七千万年後に、兜率天より弥ろく菩薩がこの世に出現されるまで、お釈迦さまにかわって衆生を地獄の苦しみから救済し、導いてくれるという誓願をおもちになっておられます。
お地蔵さまの「地」は、土地に種子をまけば花も実も成長するように万物の生ずるところであることを表しています。また、「蔵」は、そうした万物を蔵するところであるとされています。すなわち、お地蔵さまの名前は「すべての衆生を救済する偉大な功力を蔵すること大地のごとし」という意味から、「地蔵」と名付けられています。
日本の仏像の中で、最も多いのがお地蔵さまで、お寺はもちろん、村のはずれや町かど、田畑の片すみ、お墓の入り口、峠の頂上など、さまざまな場所で、人々のなりわいを見守っておられます。数ある仏さまの中でも、お地蔵さまは庶民に一番信仰されてきた仏さまでもあります。
お地蔵さまの功力は、六道の世界(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)にまで及び、六地蔵としておまつりされていることはご承知の通りです。
常喜院の本尊さまは、特に子安・延命に霊験があり、子宝・安産・長寿・延命の功力が、事のほか大きいとされています。
正式には、木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)といい、鎌倉時代中期、永仁二年九月二十四日(1294年)、院派の四人の仏師の作の銘があり、大正九年四月に国の重要文化財の指定を受けています。寄木造、玉眼の坐像で、錫杖と宝珠を手にし、「きりがね」の「すかしぼり」の光景の精密さと相光の美しさが特徴です。
皆様、こんにちは。
高野山常喜院住職、加藤 栄俊でございます。
高野山は弘法大師様のご開創以来1,200年の間、沢山の皆様方の祈りの集まるところという事で、日本の三大霊場の一つとして栄えて参りました。日本国内には例を見ない山上の宗教都市でございます。
ユネスコの世界文化遺産にも登録され、国内は申すに及ばず、世界中の皆様が参詣ののためにご登嶺されます。
真言密教の根本道場としての壇上伽藍をはじめ、真言宗の総本山金剛峯寺。お大師様信仰の源泉でもあります奥の院。20万とも50万ともいわれております奥の院参道の墓石群はまさに圧巻でございます。
また、山上の正倉院とも称される美術館「霊宝館」等々、枚挙にいとまがございませんが、ご登山、ご参詣下さいました皆様を魅了してやまない事かと存じます。
弘法大師様は高野山を「法身の里」と仰っています。皆様も「法身の里」高野山の歴史と文化を存分に体験され、皆様方の「心の拠り所」とされます事を願い申し上げましてご挨拶とさせて頂きます。
Copyright(c) 2019 高野山真言宗常喜院 All Rights Reserved